今、話題になっているリスキリング。職業能力の再開発、再教育として、企業がDX戦略として従業員の学び直しを進められる中、「育児休業中にリスキリングを」という提案が注目を浴びました。
今回は、DXの知識や技術に留まらず、育児休業中の学び直しについて、これまで4回の育児休業→復職を経験した筆者がオススメする理由をお伝えしたいと思います。
1.復帰後の不安の解消
数ヵ月から数年のブランクを経ての復帰近付くと、このまま復職して通用するのか?またハードな毎日、求められう技術や知識、パフォーマンスはできるのか?休業中に変化した職場のシステムや環境、人間関係に適応できるか?不安や焦りが出てくることもありますよね。
そんな時に、復帰を想定して少しで新しい技術や知識を身に付けておけると、復帰後の不安も軽減できるかもしれません。職種によっては難しいこともあると思いますが、休業中でもアンテナを張っておくことで、復帰がスムーズになるといいですね。
これまで4回、それぞれ1年余りの育児休業を経験した筆者も育児休業中はほとんどの時間を育児に追われて、正直自己研鑽どころではないのが現実でした。一方で復帰が近づくと、こ不安や焦りも出てきてしまいました。復帰してしまえば、育児、家事、仕事とてんてこ舞いで、リスキリングどころではないのが実際のところ。自分自身の仕事をするための体力の回復や子どもが新しい環境に慣れるための時間も必要になります。仕事のことでできることは事前に準備しておけるに越したことはないですよね。
2.子育てのストレス解消
休業前はフルタイムでバリバリ働いていた人も1日の大半を子どもと過ごすことになる育児休業中。社会から離れてしまい、疎外感や孤独感を覚える人も少なくないですよね。SNSなどでつながることもできますが、乳幼児とは思うように出掛けられなかったり、大人どうしの出会いの場も少なくなってしまい、辛くなることも。
そんな方には、リスキリングの場が育児とは別の社会とつながるチャンスとなり、子育てのストレスを解消するきっかけとなるかもしれません。オンライン講座でもグループレッスンなどを行うものもあり、同時期に受講している人と繋がることもできます。語学のオンラインレッスンなどでは、日々の悩みなどを外国語で表現してみると感情が乗ってより習得しやすくなるかもしれませんね。
3.現職以外の選択肢作り
現職の仕事内容とは違うことを学んで、様々な選択肢を持っておくことも良いかもしれません。働きながらの子育てを始めてみると、以前の働き方と現実がずれてきてしまう可能性も十分にあります。筆者も「もっと子どもとの時間を大切にしたい」「上司や周囲からの理解が得られない」「精神的にも、肉体的にも同じようには働けない」と感じることがあります。また、連れ合い共々、収入を現職だけで得ていて大丈夫か?といった不安もあり、家計管理や副業、投資の知識、ファイナンシャルプランナーや簿記などの資格についても興味が湧いてきました。
現職には関係ないからこそ、長い目で見て必要な知識を仕事をしていない期間に深めていくことで、その後の生き方についても考えられる機会となるかもしれません。
4.通信制やオンライン講座で無理なくブラッシュアップ
近年のコロナ感染拡大による生活様式の変化に伴って、通信制やオンラインのみの講座が広がっています。インターネットを利用して、自宅にいたまま講師から直接、きめ細やかな指導を受けることや通学できなくても同時に受講している生徒どうしで交流しながら受講することも可能になっています。
課題についても、通信制やオンラインでも動画やレポート、質問内容を提出して、講義中にフィードバックがあったり、時間が調整できない時には授業の振り替えやオンデマンドで後から授業を視聴できることもあり、また講座の内容によっては、土日のみ開催の講座もあるので、パートナーの協力を得安かったり、育児や自身の体調など都合に合わせられたり、無理なく続けられそうです。
5.費用を抑えることもできる
育休中に高額な講座を受講するなんて、「そんなお金ありません!!」という方もいますよね。
育児休業中は手当が出ることもありますが、フルタイムで働いているときに比べて、収入減が否めない休業中に、自己研鑽、ブラッシュアップのためとは言え、さらに経済的負担が大きくなってしまうのも辛いところ。
そんな時に活用したいのが、職場の教育制度や教育訓練給付金制度です。企業内でのリスキリングの機運が高まっている現在では、職場の教育制度を充実させる動きもあるようです。職場のものであれば、経済的負担もなく、復帰後の働き方のイメージもつきやすくなるのではないでしょうか。
その他にも、教育訓練給付金制度は、雇用保険の被保険者対象にキャリアアップや雇用の安定を図るための制度です。申請対象や申請要件、支給額などの詳しいことは、ハローワークインターネットサービスやお近くのハローワークなどから情報が出ているので、本気で考えるなら相談してみるといいかもしれません。
それらが難しければ、書籍やSNS、Youtubeなどで発信されている情報を活用するのも手軽でいいかもしれません。
6.子どもに頑張っている姿を見せるチャンス
上のお子さんがいる場合、特に小学生以上の場合、毎日仕事をしている時は、なかなか見せられませんが、育児休業中は家で過ごす時間がほとんどなので、親が頑張って勉強、自己研鑽している姿を見せてあげられる貴重なチャンスになります。
ぽんこつ家は現在、10歳、8歳の小学生がいますが、毎日のように「宿題やったの?」「勉強しなさい!」と口うるさく言ったり、「なんで勉強しないの?大丈夫?」と不安になったりしております。言わない方がいいのは分かっちゃいるけど、止められない親心。子どもにばかり注文して、家でゴロゴロしている姿しか見せていないのに、説得力0ですね。
それでも以前、オンラインでヨガインストラクター取得の講座を受講してた時は、子ども達も興味津々、小学生達は一緒になってレッスンを受けたり、座学の勉強中は邪魔せずに、自分も自ら宿題を始めたり、と頑張る姿が見られました。言葉よりも背中を見せるのが大切なんですね。
まとめ
今回は、育児休業中のリスキリングをオススメする理由についてご紹介してきました。
1.復帰後の不安解消
2.子育てのストレス解消
3.現職以外の選択肢作り
4.通信やオンラインで無理なくブラッシュアップ
5.費用を抑えることもできる
6.子どもに頑張っている姿を見せるチャンス
「リスキリング」なんて言葉を付けられると、なかなかハードルが高そうで、子育てだけでこんなに忙しいのに無理!!となってしまいそうですが、復帰すれば、ますます時間的余裕がなくなるのは簡単に予想できますよね。
最初は、あまり難しく考えず、現職とは関係なくても興味のあるもの、参考になりそうなものを選んで、動画や本などの情報源に集中して、5〜10分触れてみることから始めてみるといいのかもしれません。
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